玉川衛材株式会社 景表法違反で課徴金命令

玉川衛材株式会社が販売していたマスク
「フィッティ吸着分解マスクスーパーフィットふつう[大人向け]」
が景表法違反で課徴金納付命令を受けました。
マスクをつけるだけで、花粉やウイルスを分解する製品だったようです。
なぜ違反になったのか簡単に説明します。
どう表示していたのか?
商品パッケージでで下記のような表現をしていました。
・かぜ 花粉 ハウスダスト 黄砂PM2.5 しっかり対策
・フィッティ吸着分解マスク スーパーフィット
・しっかり吸着光で分解及び光触媒チタンアパタイト*採用
・光触媒チタンアパタイトとは東京大学と(株)富士通研究所で共同開発された花粉*1・細菌・ウイルスなどの空気中の有害物質を従来の光触媒より格段に高い吸着力でとらえ、太陽の光によって分解〔CO2(二酸化炭素)+H2O(水)〕する素材です。
特許3697608号」及び「*1花粉はアレルゲンとしての意味です。」
等と表現していました。
何が違反なのか
資料によりますと、
「本件商品を装着すれば、太陽光下において、本件商品に含まれる光触媒の効果によって、本件商品表面に付着した花粉由来のアレルギーの原因となる物質、細菌及びウイルスを化学的に二酸化炭素と水に分解することにより、これらが体内に吸入されることを防ぐ効果が得られるかのように示す」
表示をしていたと判断されたようです。
マスクをつけるだけで、アレルギー物質や最近、ウイルスを分解するならとても画期的です。
東京大学などで研究され、特許をとっていたようです。
きっと、科学的データもあるでしょう。
しかしながら、科学的な根拠を掲示できなかったので、消費者庁より違反を指摘され、課徴金納付命令が出されました。
おそらくですが、実験は素材だけでしか行ってなかったのではないでしょうか。
装着する製品は実際の使用環境での実験が必要となります。
マスクの場合は、外で付けた実験をすることを考えると、花粉やウイルス等を完全に分解して無害化する、ことを証明するのは難しいかもしれません。
課徴金は平成28年7月から令和元年7月までの売り上げを考慮し、708万円となりました。
現在はこの製品は販売していないようです。
同じブランド名で普通のマスクは販売しているようでした。
まとめ
マスクについて科学的根拠を示すのであれば、素材だけでなく、実際の使用環境での実験と統計データが必要です。
科学的根拠を完璧にできないのであれば、宣伝をすることで景表法違反となる可能性が高まりますので、注意する必要があります。
参考資料
玉川衛材株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
(2020年7月31日) 消費者庁
https://www.caa.go.jp/notice/entry/020717/