なぜ「ガンが治る水」が売れないのか? 医薬品や医療機器とは

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「ガンが治る」

「脂肪が燃える」

「バストアップ」

目を惹くキャッチコピーとともに、健康食品や健康グッズが紹介されています。

消費者も思わず買ってしまいたくなるかもしれません。

しかし、これらの表現は薬機法(医薬品医療機器等法、旧薬事法)と広告の基準に違反している可能性が極めて高いです。

知らないうちに違反をしていると、行政から警告が来たり、最悪の場合、罰金を払うことになったり懲役を受けることもあります。

冒頭に出てきたキャッチコピーの何がいけないのでしょうか?

その理由について、説明します。

医薬品や医療機器とは何でしょう?

医薬品や医療機器は定義が定められています。

詳細を書くと長いので、簡単にまとめて記載します。

医薬品や医療機器の目的は、

「人または動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物、身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」

です。

それが、機械類であれば医療機器、そうでなければ医薬品となります。1) 2)

「人の体に影響を与えるもの、変化を与えるもの」

これが医薬品や医療機器だと思ってください。

「ガンが治る水」が薬機法違反な理由

例えば、

「ガンが治る水」新発売!

これを飲むだけでみるみるガンが消えていく!

末期ガン患者も回復した例もあります!

という広告があるとします。

この広告は、水を飲むだけで病気を治すことを意図しています。

つまり、「人の疾病の治療」という医薬品の定義に当てはまってしまうので、医薬品としての承認をとっていなければ、未承認の医薬品を販売したとみなされて、薬機法違反となります。

ガンについては仮に医薬品であったとしても広告が禁止されている基準がありますので、二重にアウトです。

ガン、肉腫、白血病は医薬品であっても広告できません。

よって、食品や飲むもので「ガンが治る」という広告を見たら、薬機法違反だと思ってください。

効果があるとしても薬機法違反です。

他にも

「飲むだけ・着るだけで脂肪が燃えてダイエットできる」

「飲むだけでバストアップ」

という広告も見かけますが、

「身体の構造又は機能に影響を及ぼす」

ことになり医薬品や医療機器とみなされ薬機法違反です。(運動が絡むと少し別ですが)

本当にバストアップや脂肪燃焼効果があったとしても、残念ながら、広告することはできません。(データがないと景品表示法にも引っ掛かります・・)

まずは、こういう直接的な体の変化をアピールするような広告を作ることを避けましょう。

目を惹くキャッチコピーですが、明らかにアウトです。

日本語の使い方を変えて表現することで、やんわり謳うことはできます。

参考条文・サイト

e-Govウェブサイト(http://www.e-gov.go.jp)のうち、

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000145

を編集して作成。下記に引用。

1)薬機法第2条1項 医薬品の定義

この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。

一 日本薬局方に収められている物

二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)

三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)

2)薬機法第2条4項 医療機器の定義

この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう

3)医薬品等適正広告基準 基準5の5医療用医薬品等の広告の制限

4)薬機法第67条 特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限

政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品又は再生医療等製品であつて、医師又は歯科医師の指導の下に使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、厚生労働省令で、医薬品又は再生医療等製品を指定し、その医薬品又は再生医療等製品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品又は再生医療等製品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。

5)薬機法第68条 承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止

何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

Kazu
薬事法、医療健康ライター・コンサルのカズと言います。
外資系医療機器メーカーで薬事法(現薬機法)を10年使っておりました。
薬事法・景表法・医療法を踏まえ、医薬品、化粧品、健康食品、クリニックの広告の書き方について説明します。