ED治療に必要なのはプライド? それとも・・・

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たたないという深刻な病

ED(勃起不全)治療の偽薬が流行っているというニュースを見ました。

勃起不全治療薬、摘発追いつかぬ偽造品 なぜ“怪しいクスリ”にニーズがあるのか(iza 産経デジタル)

https://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/180315/evt18031508000001-n1.html

EDになると、相手の女性に対して恥ずかしい&申し訳ないとも思うでしょう。

何より、自分を責めてしまい、男としての自信がなくなるでしょう。

EDは深刻な問題ですから、EDを治したいと思うでしょう。

その場合、医者にかかり処方された医薬品を入手して投薬治療をするのが正規のルートです。

しかし、上記の記事によると、

「恥ずかしいので相談ができない」

という理由で正規でないルートから偽の医薬品を購入している例があるようです。

記事の例だとAVと一緒に薬が売っているとか・・・。

 

正規以外のルートで買った場合、その医薬品が本物かどうか?、という大きな問題があります。

正規でないルートで手に入れた医薬品は、品質も安全も保証されません。

どういうことなのか、簡単に医薬品の製造について説明します。

医薬品は徹底した製造と流通管理が行われている

EDの治療薬は薬事法(現薬機法、医薬品医療機器法)によると医薬品に該当します。

医薬品の製造販売には事前に厚生労働省の管轄のPMDA(Pharmaceutical and Medical Device Agency)に書類を提出し、医薬品としての承認をもらう必要があります。

とてもざっくり話すと、2つのことをPMDAで承認審査をされています。

1.製品自体の品質や性能について

このEDを医療する医薬品にはどういう物質がどれくらい含まれていて、どういう効果があるのか、そしてそれを示す根拠となる臨床試験データは何か。

これらを行政が確認をすることになります。

行政からの激しい質問・回答を繰り返して、問題がなければ医薬品として販売することが可能になります。

この審査はとても時間がかかります、年単位でかかることもよくあることです。

この仕事は薬事部というマニアックな部門の人が頑張って仕事をしています。(私も薬事部)

2.製品の製造方法について

医薬品を製造するにあたり、事前に医薬品を作る製造所や原材料の入手先、そして製造所で安定してよい品質の物が作れるのか、PMDAに申請をする必要があります。そして、GMP(Good Manufacturing Practice)という基準に則って審査が行われます。

つまり、製造場所も、原材料などの入手先や量についても、手軽に作れるわけではありません。

例え、アメリカの工場で作れる技術があったとしても、医薬品の申請をする際にその工場が含まれていなければ、その医薬品はアメリカ工場製の材料を使うことができません。

 

以上の2つをまとめると、

・製品自体がしっかりした品質・性能があること

・製造場所や方法がしっかり管理されていること

この2点が守られていることを行政が審査しているからこそ、医薬品が販売できることになります。

承認審査を終えた医薬品については、もし副作用が起きたとしても、PMDAで被害報告をまとめ、状況によっては救済措置(お金のフォローなど)をしてくれることもあります。

副作用が起きていないかどうかについては、製薬メーカーの方でも専門の部署が管理をしています。

3.販売しているお店について

また、医薬品は販売する際に都道府県の許可が必要です。

ですので、薬局は全て許可を取っております。

ですが、この記事にあるように、AVを売るお店で医薬品の販売許可を取っているのかは疑問です。また、いくら安かったとしても、販売の許可がないようなところで買うことはお勧めできません。

正規のルート以外のところで作られている可能性が高く、ED治療薬としての性能や安全性が全く保証されていないことになるからです。

成分が多すぎた場合は、副作用などの発生の可能性もあり、治療をしようとして体を壊すということにもつながりかねません。

記事で出てきた「シアリス」は医師の処方がないと入手できない薬です。

つまり、ネット販売やヤフオクなどで販売されていたら、それはすでに正規のルートではなく、偽物と見てよいです。例え、販売者が薬局で入手したものだとしても。

これを飲んで副作用が起きても、本物のED治療薬を作成した製薬会社は何の保証もしてくれません。自業自得になります。

大事なものはプライドですか?健康ですか?

偽のED治療薬に手を出して、副作用で体を壊したら、それこそED治療どころじゃなくなります。

かといって、医者に相談をするのは恥ずかしく、プライドが邪魔をする、というのもむりはないのかもしれません。告白するのはとても勇気のいることでしょう。

ですが、プライドを優先したあまり、今自分の手元にある健康を損なう可能性を負うのはどうでしょうか。

プライドは取り戻せますが、健康は取り戻せないこともありますから・・・。

 

医薬品は必ず正規のルートで入手するようにしてください。

 

また、EDになったら、迷わず医者に相談をしてください。

精神的な面もあると思うのでカウンセラーなどに話をするのもいいかもしれません。

あとは、大切なパートナーにも。恥ずかしいかもしれませんが、周りの人は意外と親身に話を聞いてくれると思いますよ。

Kazu
薬事法、医療健康ライター・コンサルのカズと言います。
外資系医療機器メーカーで薬事法(現薬機法)を10年使っておりました。
薬事法・景表法・医療法を踏まえ、医薬品、化粧品、健康食品、クリニックの広告の書き方について説明します。